株式譲渡承認決議を取締役会で行う場合に、よく起こる事象として、取締役と譲渡の当事者が同じ人物であることがあります。
この場合の取扱いとしては、当事者である取締役は特別利害関係人にあたるため、議決権を有しない→議決権を有しないことによって定足数の算定の基礎とならない、となります。

第369条
取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行う。

たとえば、取締役会設置会社で取締役ABCの内、AB間で株式譲渡承認決議を行う場合には、定足数の算定基準は「1人」(Cのみ)となり、Cが出席し決議しているかぎりは有効な承認決議がなされたことになる。但し争いはあるところではあります。

一応の根拠

取締役3名の会社において、特別利害関係を有しない取締役1名のみにより有効に取締役会決議が可能
昭和60年3月15日 民四課長1603号回答