取締役会での決議において、決議が有効かの判断として、

(1)定足数の判断

(2)特別利害関係の判断

の2点が、特に悩ましい部分であります。

今回は(1)について、ハンドブックの記載を中心に確認。

 

取締役会の基本的な決議要件は

1、議決に加わることのできる取締役の過半数(上回る割合を定款で定めることは可能)

2、出席した取締役の過半数(上回る割合を定款で定めることは可能)をもって行う

(法369条1項)

とされており、1が「定足数」の話になります。

 

問題1 3名中1名が死亡している場合の取締役会の定足数

問題2 3名中2名が死亡している場合の取締役会の定足数

問題3 3名中1名が特別利害関係に該当する場合の定足数

問題4 3名全員が特別利害関係に該当する場合の定足数

 

これらの解答は「議決に加わることのできる取締役」の解釈によるわけですが、

問題1、問題2

→取締役の死亡、解任等により法律又は定款に定める員数の最低限を下回る場合には、法律又は定款に定める最低限の員数が基準になる(新版注釈会社法(6)112頁、実務相談3・641頁)。

したがって問題1・2ともに定足数は「2人」です。

問題3、問題4

→特別の利害関係を有する取締役は定足数の算定に参入されません。

したがって、問題3の定足数は、2名の過半数で「2人」です。問題4の場合は0の過半数は0、すなわち取締役会が開催できません(どうするのっていうのはまた別の回で…)。

商業登記ハンドブック〔第3版〕