遺贈を原因とする所有権移転登記の際に、登記原因証明情報として提供ができる書面は義務者が押印をする報告書形式の登記原因証明情報では認められず、遺言書と遺言者の死亡を証する戸籍謄本を登記原因証明情報として提供しなければならない。
単独申請方式ではなく、共同申請方式の登記申請の場合には事件の要旨を記載した報告書形式の登記原因証明情報に義務者の押印がされたものを登記原因証明情報として提供すれば足りるとされているが、これは義務者の押印により事件の真実性が最低限担保されたとされるからである。
遺贈においては、真実性の担保としては様式行為である遺言書の提供及び戸籍謄本の提供が最低限必要とされる。
要旨 遺贈を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合、申請情報と併せて提供すべき登記原因証明情報は、登記名義人の死亡を証する情報のほかに、遺言書が必要である。
問 遺贈を原因とする所有権の移転の登記を申請する場合、申請情報と併せて提供すべき登記原因証明情報は、登記名義人の死亡を証する情報のほかに、遺言が要式行為であることから遺言書が必要と考えますが、いかがでしょうか。
答 御意見のとおりと考えます。
(登記研究733号)